「カイジ2~人生奪回ゲーム~」 主演・藤原竜也 ギャンブルから学ぶ人生 [エンタメ]

 「自己否定を繰り返した先に、新しいものを見つけることって面白い」。ストイックに己を追い込むが、語る表情は少年のよう。現場を離れても役柄のことを考える。「常に数グラムの重りを背負っている感覚。そんな少しの負担が楽しい」。併せ持つ硬派な一面も魅力のひとつだ。

 平成21年公開の「カイジ 人生逆転ゲーム」の続編「カイジ2~人生奪回ゲーム~」(5日公開)で前作に続き主役のカイジを演じた。原作はベストセラー漫画。今回はその中から人気のエピソード、巨大なパチンコ台が登場する「欲望の沼」を基に映画化された。原作者、福本伸行も脚本に参加している。

 ギャンブル好きの主人公は、定職に就かずに怠惰な生活を送る“ダメ男”。「今回は仲間を思う彼の優しさが強く出ている。成長を感じてもらえたら」。ギャンブル好きはカイジと似ているとも。「僕は競馬好きで引き際が分からずに突っ込むこともある。競馬を通し、出会う人たちが大好きだから」

 前作同様、食事制限をして10キロ減量、パチンコにも通った。「願掛けではないが、撮影に入るキッカケ作りに前作と同じことをしただけ」。食事制限は苦ではなく、ボクサー、辰吉丈一郎との出会いも大きかった。阪本順治監督の紹介で会って以来、数年の付き合い。「初めてお会いしたときに減量法を聞いたら、『簡単、食わなきゃいい』と言われ、納得したのを覚えています」と笑う。節制で精神力も鍛えられ、瞬間的な集中力を発揮する力にもなるという。

 平成9年、蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸(しんとくまる)」のオーディションに合格し、15歳で芸能界入り。蜷川に鍛えられ、10代を走り抜けた。「ふわっと楽に生きていた僕が、卵の殻から出て初めて見た人が蜷川さん。いまだにあの人が、僕の基準なのかもしれない」

 映画の面白さを教えてくれたのは「バトル・ロワイアル」(12年)の深作欣二監督だった。「全員がより良いワンカット、ワンシーンを撮ろうと長時間、頑張るのは素敵。今作のスタッフにも強く感じた」と話す。

 来年30歳を迎える。「才能ある人と仕事をしたい。それが一番。今は自分から動き、『一緒にやりたい』とアプローチもする。それで実現したこともある」

 まず、人とのつながり。それは今作のテーマでもある。「明日から頑張るか、と思えるような、人の背中をほんの少し押せるような映画になればいいですね」

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